流浪ブログ 日々是好日 本とラジオと飯を作る日々

栃木県鹿沼市でひとり暮らし。レディオベリーとNACK5リスナー。外食は月に2回ほどであとは自炊している。

Panasonicメロディアスライブラリー カフカ 断食芸人 6月2日(日) TOKYOFM

Panasonic Melodious Library【パナソニック メロディアス ライブラリー】- TOKYO FM - 小川洋子,小山ジャネット愛子 -

カフカの断食芸人。実は僕もかなり昔ですが読んだことがあります。パーソナリティの小川さんはどんな風に読み解くのでしょうか。

 

断食芸人というのは檻に入って全く飯を食べないという芸をする人のことです。カフカの時代で既に結構歴史のある見世物だったようで、かつては人気だったものの、今は見る影なし。ある断食芸人は自分の能力を極限まで突き詰めて、それを観客に見せようとするのですが、観客は生命力あふれる動物の方に興味が移ってしまい、断食芸人は忘れ去られてしまいます。それでも芸人は自分のプライド と断食を極めたいという欲求のもと、断食を続け、最後は絶命します。発見された芸人は檻から運び出され、その檻にはヒョウが入れられて餌を貪るというラストです。

 

断食芸人は―ただ自分の欲求を突き詰めたかった―それだけのことですが、それが原因で絶命してしまいました。これは現在は生きる日本人でもあり得ることです。自分がやりたいことがお金になるとは限らないですし、自分が好きでやっていたことが寿命を縮めるというのもよくある話です。例えばお酒や徹夜など。そう考えると断食芸人は特別、変わり者ではなかったということなのでしょうか。

 

小川さんが話していましたが、カフカの人生も過酷なものでした。こういう小説を読むと生きることが怖くなってきますが、だからこそ懸命に生きられるという側面もあるはずです。