松本清張『熱い空気』 - Panasonic Melodious Library パナソニック メロディアス ライブラリー - TOKYO FM - 小川洋子,藤丸由華 -
この熱い空気という小説は、ドラマ―家政婦は見た―の原型になった作品。松本清張さんが原作だったのかw
主人公河野信子は派遣の家政婦をしている32才バツイチで、作品の世界では中年の女性。信子は稲村家に通いで家政婦をしていましたが、ある時自分への陰口を偶然耳にしてしまいます。これに腹を立てた信子は、えげつない仕返しに出るのでした。
仕返しの内容が本当にえげつないです。いたずらっ子の子供を利用してマッチを耳で発火させるあたりは、推理小説のトリックのようですね。
一見するとお金持ちの家族に対して労働者の信子が痛快に立ち回るように読めるのですが、もとはと言えば本当にしょうもない被害妄想的な発想からの仕返しなので、本当に哀れなのは信子なのかもしれないというのが、小川さんの見方です。