流浪ブログ 日々是好日 本とラジオと飯を作る日々

栃木県鹿沼市でひとり暮らし。レディオベリーとNACK5リスナー。外食は月に2回ほどであとは自炊している。

読み終わっての感想 21世紀の楕円幻想論 平川克美 ミシマ社

株式会社ミシマ社 | TOP | 原点回帰の出版社、おもしろ、楽しく!

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この本はなかなか難しいですね…要約すると―贈与と貸し借り――貨幣価値の功罪――無縁でもお金があれば――貧乏と人助け礼賛について―

 

光輝く生活を求めたはずが、なぜか生きにくい。無縁社会をいきる上で考えなければいけないこと。それを問う本でした。

 

貨幣は腐らないので、人はどうするかというと、貯めたくなる。これを 著者の平川さんは退蔵と表現しています。貯金とは言わないんですね。そして、お金で何でも通用する世の中で、人々は自分の名前をなくし、ただの消費者になってしまう。確かに昔の日本のように隣近所の人がお互いに干渉し合う社会は、面倒に感じます。しかし、ここに来て無縁社会の問題がニュースなどでも取り上げられていますね。

 

お金のない人は、ボランティアの達人である。同じ目線で対話できるからです。この本にもお金のない人同士の助け合いが社会を支える助けになることが示唆されています。特にスペインのキンセエメ運動は本当に画期的です。失業に対して―時間銀行―食品ロスに対して―フードロス0円冷蔵庫―これは日本でも同じような社会実験が行われていて、結果の報告が待たれます。

 

楕円幻想とは、端と端を回りながら、生きていることに気づいてほしい…そういうことなんだと思います。お金で仕事を依頼しつつ、ボランティアもする。そんな生き方を知らず知らずみんなしているんですね。