流浪ブログ 日々是好日 本とラジオと飯を作る日々

栃木県鹿沼市でひとり暮らし。レディオベリーとNACK5リスナー。外食は月に2回ほどであとは自炊している。

Panasonicメロディアスライブラリー 阿部昭 天使が見たものより 子供部屋 2019年9月22日(日) TOKYOFM

阿部昭『天使が見たもの』 - Panasonic Melodious Library パナソニック メロディアス ライブラリー - TOKYO FM - 小川洋子,藤丸由華 -

天使が見たもの|文庫|中央公論新社

今週のテーマは阿部昭さんの―天使が見たもの―です。主人公が少年の短編小説をアンソロジーにしたものです。

 

あらすじ シングルマザーの家庭で育った少年は学校でも友達がおらず、頼りの母からも仕事の忙しさからか邪険にされてしまいます。ある日、帰ってきた少年はパジャマ姿で亡くなっている母を発見し、そのままメモを残し投身自殺するのですが…

 

あまり母親からの愛情を受けてこなかった少年ですが、そこには様々な家庭の事情があり、そこをわかっていたのかわかっていなかったのか…定かではありませんが、孤独な少年は母の後を追ってしまうという本当に衝撃的なラストです。まったく恵まれていない環境というのが本当に辛い。さらにこの短編小説にはモデルになった事件があったんですね~。そこにまたゾクッとしてしまうのですが。

 

文学になった場合、悲劇的な群像もどこか美しさを感じてしまう。そんな気持ちになりました。でも複雑。