山本有三『路傍の石』 - Panasonic Melodious Library パナソニック メロディアス ライブラリー - TOKYO FM - 小川洋子,藤丸由華 -
今週のテーマは路傍の石です。山本有三さんは武家の出身でルーツは宇都宮藩なんですって。この小説で戦前の日本を垣間見ることができました。
主人公の吾一は成績優秀ながらも生活苦のため中学への進学を断念してしまいます。没落士族の父は借金返済のため奔走し、母は内職の日々。吾一も家計のために奉公へ出ますが、勉学の道を諦めきれず、周囲の理解ある大人もそれを助けようとするのですが…
小説では吾一が起業するところまで続くのですが、未完のまま―筆を折る―ことになってしまいました。 本当に素晴らしい作品なので、未完のまま終わってしまったのは惜しいですね。
現在でも大家族スペシャルなどで身勝手な親に振り回される子供の姿を見ることがあります。なかなか吾一ように志を立てて勉強するというのは難しいんですよね。それでも、苦労した分なにかを得ているはず。そう思う、思える作品です。僕もがんばりたい。